2016年度 母親講座 第 7回『夫婦!この難しきもの』
今日の講座タイトルは『夫婦!この難しきもの』。
このタイトルだと、SCSは夫婦仲まで介入してくるのか?と思われる方がいらっしゃいます(笑)。あながち間違ってはいないのですが、そうではありません。
夫婦仲が悪いと、(ひきこもっている)子どもは問題一つも起こせないのです。
夫婦が険悪なムードを発していたりすると「自分のせいで親の仲が悪いのでは?」と子どもは自分を責めてしまい、ますます家庭の中でもさらに退却してしまい閉じこもるのです。
これはつまり、第一社会である家庭の中でもひきこもってしまうということになります。
(所謂、『閉じこもり』というものです)。そんな状態で、第二社会で出ていけますでしょうか。
険悪な夫婦をはじめ、子どもの目に ”言っても無駄な親” と映っていた場合、
子どもは何もしないので、事態が硬直化し時間だけが経過してしまいます。
これは、SCSに辿り着かれるご家庭によくあるケースとも言え、ここ(親に手応え)にまず変化を起こすことが、ひきこもり回復の一つの鍵となってきます。
という事で…
『子供が、◯◯に行って、◯◯◯を持って、◯◯してこい!』と言い出したらどうするか?
参加者の皆様にロールプレイ (親役・子役を体験してみる)していただきました。
親役からは…
- 以前なら説き伏せた「そんなこと言わないで」と言ったかも。
- 「あの場所でどんなツライ思いをしたのか」考えた。
- 家は出るけど、戻ってきて「あんまり◯が◯◯◯◯なかった」と言う(←皆爆笑)
- 実行したい気持ちはあるが他の兄弟もいるし‥
- 今は弱っているから少しためらうかも。
- それをやったら(子供が自分を)許してくれるかな。
- 子供に怒鳴られるとおじけづいてしまう。
- うちの子供は静かなので想像できない
子ども役からは
- 「◯◯◯◯◯」と即答された時には心が広がった感じがした。
(子ども役の意見が少なかったのも特徴的です)
など、結果的には2時間近くこのテーマで笑い、とまどい、本音が繰り返されました。
厳しいテーマの割には皆がどんどんリラックスして話していったのがとても印象的でした。
皆、親としての「覚悟」や、子供に対しての「真摯」という事をロールプレイにて
身をもって体験できたことはとてもよかったと感じます。
ちなみに…日曜日のおやじの会で同じテーマでロールプレイをしたようですが、多かった答えは、「じゃあ一緒に◯◯◯」だったようです。この返答の背景には「妻が何とかしてくれるだろう」という考えのお父様達が見え隠れしますね(笑)。
この事一つ取っても、母親のなんとたくましい事か!
これがまさに、SCSの「親育ち・親子本能療法」の”親育ち”の部分なのです。
子にとって、アテになる親となるためには、親が育つ(成長)する事です。
そして、子にとって”今、必要な欲求感を受け止められる力”をつけて頂くのです。
SCSに辿り着かれた時は、とても正気のない顔をされたお母さん方が徐々に逞しくなっていく。
「数年前とは別人だなぁ」と感じるお母さんたちを前にすると、安心するとともに
子が揺れながら復活していくことを引き受けられる力を感じます。
こんなにも逞しいお母さん方が揃っている場所は、ひきこもり関連においてはSCS以外で見たことがありません。
(私どもは都内はもちろん、全国規模で沢山の親御さんの顔を見ております)
本日の講座の終盤、あるお母さんが最近子どもから言われた言葉を教えてくれました。
「子はかすがいだから、(僕は)かすがいの仕事をしなくちゃならなかったんだ!」と。
夫婦!このむずかしきものを、子どもに頼らず、現状の言い訳にせず、過去を憂いたりせず、今から出来ることをSCSで一緒に考えていきませんか。
スタッフ Y.F
スタッフ T.M