2017年度 第2回 おやじの会 「最良の薬・無条件の肯定的関心」
今日の講座タイトルからも分かる通り、テーマは「無条件の肯定」。
多くのお父さん・お母さん方にとっては聞き馴染みない言葉かと思われますが、SCSでは「ひきこもり・不登校状態の我が子に対して最初に取り組んでいただく、言わば『型』のようなもの」です。
日本のご家庭(世界でもそうかな?)では、以下のパターンは散見されます。
- 親の言うことを聞く、あなた(子)は良い。
- お手伝いをする子は、良い
- 学校に(行きたくない理由があっても)行く子は、良い。
- 文句を言わず扱いやすい子は、良い。
- 駄々をこねない(主張しない)子は、良い。
これらは全て、“条件付き”の肯定なのです。
そして、勘の良い方は「おやっ?」とお気づきになると思いますが、これらの条件は親にとって都合のよいことばかり。
すなわち、どれもこれもが『子の視座ではない』のです。
でも一方で、仕方ないかな?とも思ったりします。
だって、これを読んでくださっている親自身が「自分の父親・母親にそうされて(条件付き肯定)育ってきた」から。
よって、この遺伝のような負の連鎖は世代を追うごとに積み重なり・強くなるのです。
これに気がつけたのなら、負の連鎖の鎖を断ち切り、良質な関わりに変える事です。
もし、お子さんがひきこもり・不登校状態にあるなら、今こそ親が無条件肯定を体得することです。
「え? そんなことで我が子が変わるの?」と思われるかもしれませんが、これが回復への何より確かな道なのです。
このことについては、何もSCSだけが言っているのではないのです。
カウンセリング心理学の巨人:カール・ロジャーズ(現代カウンセリングのベースを作ったアメリカの臨床心理学者)も、「人間が治療的(建設的・前向き)になっていくには、肯定的で受容的態度を経験することである」と提言しております。
「無条件の肯定的関心」。
この一言がどれだけの影響力と深さを持つか。そして、この取り組みがどれだけ難しいか。
そして、ひきこもり回復において「どれだけの最良の薬」となることか。
SCSでは具体的な事例を聞きながら、「ひきこもり・不登校からの回復」に必要不可欠な“ 無条件の肯定的関心という「型」 ”を体験的に学んでいただけます。
こじれた親子関係を紡ぎ直し、子を回復に導けるのは親の力です。
スタッフ 桝田智彦