2017年度母親講座 第13回「重要!「反抗・吐き出し・退行」に対応できますか?」
当日は台風のため、開始時間5分前に集合下さったお母様方の数は5名…。
スタッフとしては近年稀に見る少なさにドキドキしましたが、台風による電車遅延等もあった様子。なんのことはない、お昼過ぎには30名近い参加者がありました(笑)。
台風が来ても、槍が降っても?講座タイトルに「重要!」と謳われたのでは参加しないワケにもいかないのかもしれません。
はてさて、これをお読み下さっている方のお子さんやお孫さんが、ひきこもっていたり・不登校状態になっていたりする場合、この日のテーマ「反抗・吐き出し・退行」を理解することは非常に「重要!」だと思います。
- 反抗:
辞書には「長上や権威・権力などに従わないこと」とありますが、子にとっては、親に向かって自分の意思をぶつけ、自分を確認する作業…反抗期のやり残しとして生起することも屡々。
_ - 吐き出し(す):
辞書には「心にあることを話してしまう。感情をほとばしらせる」とあります。生誕からの青年期に至るまで(それ以上も)、対象関係では非常に重要な「親(育ての親)」でしか、築きあげることのできない絆があります。その中では、“子の分かって欲しい!という気持ちの表出と、親の受け取り”は避けて通れない情緒的交流とも言えます。
_ - 退行:
辞書には「困難な状況に遭遇したとき、精神発達上より未熟で幼稚な段階の行動を示すこと」とあります。医療からは忌み嫌われることの多い「退行」ですが、ここに取り組んでこそ自我の成長・発展があるのです。ここを支えてこその、ひきこもり・不登校を復活であり、不安定な自我を成長させ、自己実現に至るための必要不可欠な要素。
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発達心理学者の大家、E・エリクソンは「人は(生涯)発達の中で、未解決の課題にいつか取り組まざるを得ない」と言っております。未解決の課題とは、大抵デリケートかつセンシティブなもの。わざわざ、人生を退いてそこに向かい合うのですから、反抗・吐き出し・退行の色を帯びるのも当然なのです。
ひきこもり状態、特に長期化しているに青年たちのこころには常に…
- 「死と生」
- 「無価値観と存在意義」
- 「心理的漂流」
- 「自我同一性(アイデンティティ)の拡散」
- 「絶望し、それでも生きながらえざるを得ない我が命への嫌悪」
- 「親に愛されること(大事にされること)・生きる事への渇望」
- 「承認への欲求と一歩を踏み出す恐怖」
- 「辛い(辛く思える)過去の蓄積と未来への恐怖」
などなど…こんなテーマに葛藤しているものです。
これらテーマを彼らに植え付けた・宿らせたのは誰か、このテーマに一人で挑ませた(てる)のは誰か。
この答えが出ないとしても、このテーマに苦しんでいる我が子を支えられるのは誰かを考えてみて下さい。
他でもない、私たち(親)だと思う方、我が子の自己実現を支えたいと思う親御さんがいらしゃれば、ぜひ一度、SCSの門をノックしてみてください。
SCSでは、「反抗・吐き出し・退行」の意味をわかりやすく、実例を挙げながら伝え、親御さんに力をつけて頂いております。
本物の回復は、親御さんが取り組んでこそ。
SCSでは20年の取り組みによる多くの事例と、心理学的に裏付けある理論で”ひきこもり・不登校”を回復に導いております。
ご一緒に参りましょう。
スタッフ 桝田智彦