1年経過した「今だから」お伝えしたい大切なこと。
お陰様で「親から始まるひきこもり回復〜心理学が導く奇跡を起こす5つのプロセス〜」の発売から1年が経過致しました。
また先日、第5刷増刷決定のご連絡も頂戴しました。変わらずご尽力下さっているハート出版さん、口コミで広めていただいてる皆様に心より感謝申し上げます。
お陰様で現在でもamazonベストセラーを頂戴する日もあり、これらのことは全く予想していなかったことです。本当に有り難いことと感じております。
私にとっては初の出版本であることから、今読み返してみると少し力んだ印象を持つのが正直なところです。
一方で、1年半の時間をかけて執筆させていただいたので後悔はございません。
(謝辞の部分で「半年」と書いてありますが、家族を蔑ろにして執筆にかけた合計の時間が約半年という意味です)
査読をしてもらった方々から「ずいぶん詳しく書いてある」とのご指摘を頂戴しました。
私としてはこの1冊で「意図せずひきこもりが長引き、苦しんでいる青年・青少年の皆さん」「どうして良いか分からず戸惑っていらっしゃる親御さん」に役立てる本にしなければ意味がないと思い、一切出し惜しみせずに上梓させて致しました。
私はひきこもりの問題は「孤独と死の問題」でもあると考えております。
当該書籍は私の11年のひきこもり研究に基づくため、個人的な経験則ではなく「より確実性の高い再現性ある(多くの方に当てはめて利用できる)心理学に基づいて」ご説明させて頂くことを最も重要視し執筆致しました。
しかしながら、今はもっと強調すれば良かったなと思うことがございます。
それは「親が、わが子の絶対的な味方であること」です。
ひきこもる我が子、それに限らず孤独な状態に陥った人は“著しくセルフイメージ(自己評価)”が棄損されていきます。
やがては、緩やかな自殺と言われる「セルフネグレト化(自己放任)」となっていくリスクが大きいのです。
よって、物理的にも心理的にもわが子の一番近くにいる親御さんが、わが子に心身ともの安心・安全を提供する必要があります。
- 人間は人(親)に大切にされて、初めて自分を大切に思えるのです。
- 人間は誰か(親)に守られ、支えられるからこそ、チャレンジが可能になるのです。
ひきこもる青年たちは、それぞれに社会で言われる「普通」と自分を対比し、自分の欠点に注目して日々を過ごし、それらはやがて「生きづらさ」という粘着性の高い信念に変化します。
この「生きづらさ」を解消させるにはかなりの熱量もしくは安心安全な時間を要するのです。
人間は孤独な状態で、恣意的に自分を肯定するのは大変難しいのです。長期化すればするほどそれは困難になっていきます。
だからこそ、1番近くにいる親の出番なのです。
そして、一番大切なのは「親がわが子の絶対的な味方であること」です。
これはともすれば精神論のような色合いを帯びてしまいます。
執筆時点の私では「精神論」ではなく、この大切さを論理的に執筆する能力を持ち合わせなかったため、改めてここでお伝えさせていただきました。
わが子のひきこもり回復に取り組まれているあるお父さんが、このようにお伝えくださいました。
- 「無条件肯定は難しい。でも分かったことがあるんです。
- それは、“親がわが子の絶体的な味方でいる”と腹を括らなければ無条件肯定はできない。
- だから、私は「わが子の絶対的な味方」でいてやろうって。
- 死んでもわが子を守ってやろうって思います」
この言葉を聴いた時、私は言葉を失うほど感動しました。
そして「ああ、このお父さんなら絶対にわが子を回復させることが出来るな」確信しました。
(発言を引用させて頂くことの了解は得ております)
親御さんの「なんとか、わが子のひきこもりの問題を解決したい」と願いは、とても自然かと思います。
しかし、これは解決する問題ではなく、ひきこもりはわが子が出した「答え」なのです。
ですから、答えが出ている以上、問題視をしてもそれ以上解決していかないのです。
「親が我が子の絶対的な味方であること」と「心理学が融合した時」が「親育ち・親子本能療法」は発動し、回復が始まると思うのです。
このことをどうか、心の中心に置いてわが子と共に歩んでいただければと思います。
またしても、長くなりました。
現在、コロナウィルスの影響が様々なところで起きております。未曾有の事態とはなりますが、1日も早い終息と皆様の健康を心よりお祈り申し上げます。
本日もブログをお読み下さりありがとうございました。
SCSカウンセリング研究所
副代表:桝田智彦(ますだ ともひこ)