2016年度 母親講座 第13回「親をベースに喰う、寝る、遊ぶ。気が済んだら…」
昨日も暑い中、沢山の親御さんがご参加下さりました。
初参加の方も3組ご参加くださり、SCSのメッセージが多くの方々に徐々に届いていることを実感します。
さて、講座タイトルは「親をベースに喰う、寝る、遊ぶ。気が済んだら…」。
このタイトルだけ見ると、多くの親御さんは「ただでさえ”ひきこもっている”のに、遊んでもらったら困る!」とお思いになられるかと思います。「今すぐ立ち直って、”働いてくれ”」と(笑)。
しかしながら、そうはいかないことが心理学で明らかになっているんです。
人間性心理学の大家であるエイブラハム・マズロー(米:心理学者)は以下に示した、欲求階層説というものを唱えております。
①生理的欲求(喰う・寝る・排泄する等、人間の根源的な欲求)→②安全の欲求(身体的、情緒的、環境的に安全でいたいという欲求)→③社会的欲求(情緒的な人間関係の中にいたいという欲求:遊ぶこと)→④承認の欲求(自分が(集団<家族>から)価値ある存在だと思ってもらいたい(思いたい)欲求)→⑤自己実現の欲求(「”こう”なりたい」という自分に向い、それを実現しようとする欲求)。
基本的に、これら5つの欲求は①が適えられて初めて②の欲求を抱くと考えられ、②が適えられて③の欲求…といった様に、低層が満たされてから順に高層へ向かっていくという考えです。
さて、これをお読みになって下さっている方に問いかけてみようと思います。
あなたの「第1社会である家庭の中」で①〜④(生理的欲求・安全の欲求・社会的欲求・承認の欲求)は担保されていますでしょうか?。
高度成長期をがむしゃらに生き抜いてきた親御さん方からすると、⑤「自己実現」(例:豊かな暮らしをしたい欲求)のために④「承認の欲求」(例:有名企業に入社する・昇進する)があり、③「社会的欲求」(例:会社などの集団に所属する)を満たし、②「安全の欲求」(例:サラリーを担保する)・①「生理的欲求」を維持・管理していくという、”高層欲求→低層欲求を念頭に生きる”考えを持たれる方も少なくありません。
よくよく考えていただければ気がつくのですが、これではマズローの欲求階層説とは真逆なのです。
そして、ひきこもっている青年(人間)が「自分である」という感覚を育み・力強く生きていく=なりたい自分になる。つまり、”自己実現する”とは程遠いのです。
ひきこもり回復にまず必要なのは、(生理的欲求は当然として)安心・安全の欲求を満たすことなのです。
子の復活は、安心・安全の風土を親がベースとなって作れるか次第であり、それこそが必要十分条件の1つなのです。
「遊び」はなぜ必要か?
それは講座にご参加くださった方だけにお伝えさせていただきました。
次回の母親講座は9月6日(火)です。
スタッフ T.M