2016第7回 オヤジの会『無言・物破壊・暴言・暴言』
無言も物を破壊する行為も、暴言、暴力も、一般社会では決して認められる行為ではありません。けれど、ひきこもった青少年が回復の過程に於いて、少なからず親に向けて起こしうる行動なのです。
この時、この期間、親はどう対応したらいいのか、どう理解するか、コミュニケーションをどう取ればいいのかが問われます。
参加したお父さんから、「子どもからの追及が厳しすぎて本当に困っている。これまで子どもに与えた、私たちのストレスを考えれば当然のことと思いながらも音を上げたくなる。実は、ある宿泊型回復施設を見学に行ったら空気もきれいで、自然豊かな実に良いところだった。疲れた心身を癒すには絶好の場所。施設長にも信頼がおけると感じ、これは、いいきっかけになるのではと思った」と発言がありました。
講師から「お父さんはその施設を評価されていますか?」と問われ,「良いところだと思うが、人に預けるべきなのかジレンマがある。そもそも本人が行きたいと思うのか。行きたいなんて、きっと言わない」。
「預けたいと思う方、他にはいらっしゃいますか?」の講師の問いかけに、手を挙げるお父さんお母さんはいらっしゃらなかった。
再びお父さんが言葉を繋ぎました。「本人が拒否した場合でも入居できる方法があるんですが、それは強制手段。強制手段を使って子どもを入れられたらどうなるか。親子の絆は切れるでしょうね。だいたい、可愛い子どもにそんなこと、とてもできませんよ!」
溜め込んでいた言葉やエネルギーの発散は、時に激しい親への攻撃となる。親として未熟だったことを思い知らされるけれど、追及は簡単には止まない。子から離れたい、放したいと思う時期は誰にもある。
そんな時期もあるけれど、「噴き出すように怒りを向けられるのは怖いし、嫌です。でも、どんな話にも耳を傾ける。聴くことを繰り返すということが、子どもを理解することだというのは正しいと思う」と、葛藤を続けるお父さん達は、この学習会の中で一つの方向性を見出していかれました。
暑さがたたってなのか、今回は小規模の集まりでしたが、積極的で率直、正直な意見が飛び交い、小さな集まりの良さが発揮されていました。
スタッフ H.I