2017年度 第5回 母親講座 「”ちゃんと”ひきこもってこそ」
啐啄(そったく)という言葉があります。
啐はひなが卵の中から殻をつつく音。
啄は親鳥が卵の殻をつつく音。
ひなは自分のタイミングで生まれてきます。
自分が生まれてくる時、自身のくちばしをつかって内側から殻をつついてきます。
殻を割っていくのはあくまでもひな。
少しずつ、時間をかけて割っていきます。
親鳥はそれを察してひなのペースを乱さぬよう、外側から殻をつついて見守ります。
その息があった様子が啐啄。
卵の中では一体何が起きているのでしょう?
それはひなが卵から出てきてから分かること。
ひなが全てを教えてくれます。
もし、親鳥が自分の都合で無理矢理殻を破ろうとしたら‥
もし、親鳥があせって卵をつついてみたら‥
卵の外の安心、安全、信頼、希望。
卵の中からひなは全てを感じています。
やわらかくて暖かい親鳥の羽毛につつまれてこそ、ひなは卵の中で成長できるのです。
ゆっくりと、自分のタイミングを待ってくれる親鳥は啐の音を聞くことができるでしょう。
ひきこもりは、極限まで心のエネルギー切れを起こした時に生じます。
ひきこもりは、その命を守るための本能行動。
一度、自分の殻にこもって気(エネルギー)が満たす必要があるのです。
ひきこもる我が子の年齢、タイミング、社会的ステータスを気にして親は焦り、その殻を外から破ろうとするケースが散見されてます。
ひきこもり回復の難しさは、放っておけば良いのではなく、突きすぎても駄目な点にあります。
啐啄(そったく)の様な相互のバランスが非常に大切。
こればかりは、親御さんに学んでいただく必要があるのです。
SCSの青年たちの回復は諦め(の人生)ではなく、
自己実現(の人生)に向かう。
この背景にある親の力を身に付けたい方は、
是非SCSカウンセリング研究所をノックして下さい。
スタッフ Y.F
スタッフ T.M