2017年度 第10回 母親講座「SCSを巣立った親たちが残してくれたメッセージ」
よく、このような質問をいただくことがあります。
「どれくらいで回復しますか?」
お答えの難しい質問ですが、そう聞きたくなるお気持ちもわかります。
その質問にお答えする一方で、SCSでは回復への時間より回復の質を重視していることをお伝えしております。
我々は25年以上の活動の中で、質のよい回復には「親の取り組み」が不可欠と気がつきました。
親が取り組みだすと、すぐに動き出す子どももいれば、10年ぶりに雨戸があく子も、というケースもあります。
子どもに変化が起きた時こそ油断しないというのをSCSに関わる親御さんは知っています。
その結果、
- 子どもから「もう大丈夫だから、菓子折り持ってSCSにあいさつしてきて」と言われた。
- 長期間、家を出て一人暮らしをしていた子どもが「そろそろ(実家に)帰るかな」とぽつりともらした。
回復の段階を知り、ぶり返しはつきものと腹をくくって子どもの出すサインを見逃さず、子どもの現象につきあう。
そして徹底した「無条件肯定」。
講師の池田、桝田両代表は口をそろえて言います。
「とにかく続ける。いろいろなことが起きて回復していく。子どもが自分を取り戻す過程で、親も“ 自分を取り戻す”」。
実際、本日参加者の親御さんは
「自分がやりたくてやる事には迷いがない。気力と体力がピッタリだったみたいで、すぐに○○に申し込んじゃった!」
と笑っていました。
そして、「(自分の)子どもは ” 今はまだゆっくりとこもっていたい時期 “なんだなぁ〜」と理解されていました。
講座の最後に講師は「今日、是非話したい!という方はいますか?」と問いかけます。
“ 言いたい、聞いて欲しい、共有したい ”。
親御さんは一人ではないのです。
みせかけの回復ではなく本物の回復へ。
一緒に歩んでまいりましょう。
スタッフ Y.M