2019年 母親講座 第16回『回復につれ親は何度も行き詰まる。トラブルと特に退行は』
本日の母親講座にも沢山の方々が参加してくださいました。
先日、私が講演させて頂いた福井県からも親御さんが足を運んでくださり、心より感謝申し上げます。
本日のテーマは『回復につれ親は何度も行き詰まる。トラブルと特に退行は』。
他の勉強会では中々目にしないタイトルなのではないでしょうか。
「回復していくのに何故、親は行き詰まるのだ?」
そう思われる方も多いかと思います。それは恐らく「就労・就学をひきこもり回復」としていると無理もないかと。
それでも、直近のひきこもり支援においては「就労・就学を目指すのは違う」というムードになって来ているのですから、親御さんでしたら尚更混乱しますよね。
SCSの取り組みである「親育ち・親子本能療法」は、社会適応ではなく、「生きる力」そのものを回復させていき、自分の意思と自己決定、存在意義の獲得(アイデンティティの獲得)を目指すものです。
これが、我が子が20代なら勿論、40代でも50代でも「親の取り組み」があれば獲得されるのです。
そんな回復法は「俄かに信じがたい」と思われる方もいて当然かと思います。何故なら、アメリカやドイツの心理療法ではこれまでに退行を受け入れていくという取り組みはないからです。
精神医学は基本、対症療法ですので尚更ないからです。
それでも、我が子の立場でものを考え続ける「親育ち・親子本能療法」に取り組まれると、見えてくるものがあるのです。
母親講座で、あるお母様がこう言いました。
「我が子は色々とトラブルを起こしてくれた。でも、動いているけど、寂しいんだと。そう気がつけてから、やっと聴けるようになった」と。
親子の信頼の縦糸がしっかりしていると、社会という横糸が織りなすしっかりとした生地のような繋がりは、人間に確固たる「生きる力」を与えます。
親子の間に、不要な退行は起こりません。必要に応じて生じるのです。
この独特な退行現象こそ、「親の成長が必要なこと」と考えられたご家庭から、復活が始まりだすのです。
だから、回復すればするほど行き詰まりも起こりうるものなのです。
親育ち・親子本能療法は私が大学・大学院から研究を始め11年かけてようやく心理学に基づいて説明できるところまで持ってきました。
正確に言えばそれ以前からの取り組みですが、誰もが納得する略歴としては先述したとおりとなります。こと近著においては、桝田親子2代の取り組みの結晶だと思っています。
この「心理学」というのがとても大切なんです。多くの人達に役に立つものである根拠として「心の科学」として論じていることに意味があるのです。
そんな意味ある結果を出した、お父さんが登壇してくれます。
来る11月17日(日)に父母合同一日親の会がございます。そこに登壇して頂く80代のお父様に、約10年の取り組みと8050問題を見事回復させた親としての歴史と大切なことを話して下さいます。
SCS会員でなくてもご参加可能ですので、よろしければ足を運んでくださいませ。
詳しくはコチラのリンクをご参照ください。
本日もお読みくださり、ありがとうございました。
スタッフ:桝田智彦(ますだ ともひこ)